野菜、花卉の東京出荷が最多 沖縄県産品の知名度向上


この記事を書いた人 新里 哲

 県農林水産部は26日、2015年の東京都中央卸売市場への園芸品目(野菜、花卉、果実)の出荷実績を発表した。野菜と花卉(菊類)は出荷量、販売額、平均単価がいずれも統計が残る02年以降で最高値を記録した。県は、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)活用による栽培施設の整備や輸送費の補助により、農家の生産意欲の高まりや供給体制が強化されたことに加え、県産野菜の知名度が向上し、出荷量などが伸びたと分析した。

 野菜の15年出荷量は5444トンで2011年との比較で42%増加した。出荷量が多い品目はサヤインゲンやゴーヤー、カボチャなど。販売額は11年比44%増の33億円、平均単価は1キロ当たり607円で、11年比で2%上昇した。

 花卉(菊類)の出荷量は11年比12%増の4500万本で、販売額は11年比43%増の20億円だった。平均単価は1キロ当たり44円で11年比で26%上昇した。

 果実の出荷量は11年比44%増の719トンだった。主な品目はパイナップルやマンゴー、スイカなど。販売額は11年比49%増の5億円、平均単価は1キロ当たり689円と11年比で4%上昇した。

 農家の生産意欲向上や生産体制強化に向け、県は12年度から一括交付金などを活用して、農作物の県外出荷費の一部補助や災害に強い栽培施設の整備事業、県産農林水産物多角的プロモーション事業などを実施してきた。

 島尻勝広農林水産部長は「単価も向上したことは農家の所得向上を図る上からも評価できる。さらに関係機関が一体となり、国の一括交付金などを活用しつつ生産体制の強化や輸送コストの低減対策などに取り組んできた成果が確実に出てきている」と述べた。