キビ影響、最小限に TPP対策を要求 農業者集会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県さとうきび対策本部(本部長・砂川博紀JA沖縄中央会長)は1日、南風原町立中央公民館で約500人を集めて県農業代表者集会を開き、2016年度産のサトウキビ価格決定を前に、糖価調整制度の維持や中長期的な増産に向けた政策の確立など7項目を求めていくことを決めた。環太平洋連携協定(TPP)を承認する議案が4日にも衆議院を通過する可能性がある中、農業やサトウキビ生産への影響を最小限に抑えるよう万全な対策を求めることを盛り込んだ大会宣言も採択した。

 JAによると16年度産のサトウキビ生産量は、15年度産より4%多い78万トン(9月現在)を見込む。

 主催者あいさつで砂川本部長は糖価調整制度が維持されることになり、TPPによるサトウキビへの直接的な影響は限定的とした一方で「畜産への影響が懸念されており、そのあおりを受けて農業全体への影響が生じないか」と懸念を示した。サトウキビ生産は12年度以降回復基調にあり「生産者が安心して農業をする環境をつくることは、離島地域の定住社会を守ることにもつながる」と強調し、再生産可能な交付金水準の確保や施策の充実を訴えた。

 情勢報告でJA沖縄中央会の仲宗根良和専務理事は、TPP合意で糖価調整制度の財源の一つとなっている輸入糖に課される調整金が一部削減される予定となっていることに言及し、糖価調整制度の維持・安定運用に向けた対策を政府・与党に求めることも確認した。

 さとうきび対策本部は11月中旬に県や沖縄総合事務局に対して、12月には政府・与党に要請活動をする方針だ。