科学の目 磨く 沖縄市でサイエンスフェスタ


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顕微鏡のモニターを通して動くゾウリムシを観察する児童ら=10月30日、沖縄市体育館

 【沖縄】沖縄市教育委員会と沖縄こどもの国は10月30日、「ホンモノへのふれあいと、体験が科学の扉をひらく」をテーマに、沖縄市体育館で「サイエンスフェスタ2016」を初めて開催した。会場には市内外の研究機関や学校、民間企業などが、蜂蜜を使ったろうそく作りやプラネタリウム、顕微鏡での微生物観察など、約40の多彩な体験ブースを出展。訪れた多くの子どもたちは、科学の楽しさを肌で体感した。

 琉球大学や沖縄市立郷土博物館、美ら島財団などのほか、市内の小中高校生による出展もあった。子どもの国こども未来課の呉屋博典課長補佐は「子どもたちが年下の子どもたちに科学の魅力を教えることで、教育の継承になる」と意義を語った。

 年間200冊以上を読破する読書好きが集まり、和紙の研究をする市立高原小2年の砂川由佳さん(7)は、さまざまな植物を使った11通りの和紙を試作。その結果、ササとハイビスカスの葉を材料にした和紙が最も破れにくく、文字が書きやすかった。試作品を用いて発表した砂川さんは「これからもいろいろな葉を使って研究したい」と意欲を見せた。

トンカチを使ってアルミ板に文字を彫る児童ら

 各体験コーナーも、終始子どもたちの笑顔であふれた。小浜養蜂場の蜂蜜を使ったろうそく作りを体験した新垣華音さん(9)は「ろうを容器に入れる作業が楽しかった」、一緒に体験した母親の康子さん(43)は「家に持ち帰り、娘と一緒に模様を彫ってみたい」と笑顔を見せた。

 美里工業高主催で、アルミ板に鉄で英字を打刻する体験をした沖縄三育小6年の岩本琉夏さん(12)は、自身のイニシャル「RI」を彫った。体験後「トンカチを打つ力、板を支える力を工夫し曲がらないようにした。自分の靴に付けたい」と満足げに語った。