屋比久、東京五輪見据える レスリング学生王者


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
東京五輪出場を視野に入れ、現在の思いを語る屋比久翔平=8日、浦添工業高校(具志堅千恵子撮影)

 レスリング・グレコローマンスタイルの全日本大学選手権(10月)と全日本学生選手権(8月)で3連覇を達成し、国民体育大会も2年連続で制した日体大4年・屋比久翔平(浦添工高卒)が8日、琉球新報のインタビューに応じた。多くの大会で栄冠をつかむなど実績を残しながら、2020年の東京五輪を見据え、「もっと結果を出せるように練習をする」と意欲的だ。4日からは母校の浦添工高で教育実習を行いながら、12月の全日本選手権に向け、放課後に練習を重ねる。貪欲に成長を続けている屋比久から話を聞いた。

 「もっと結果を出す」

 -全日本大学選手権では圧倒的な強さを見せた。
 「すごく調子が良かったし、学生には負けられないという思いもあった。決勝は全日本選抜選手権フリースタイルの覇者が相手だったけど、自分の技が十分に通用した。タックルからバックに回って投げ技につなげる理想の展開で試合を決めることができた」

 -大会で収穫と課題は得られたか。
 「自分自身の課題が見つかったことが収穫だった。準々決勝で一本背負いを仕掛けようとした際に、一瞬の隙を狙われて失点した。これでは駄目だと感じた。強い選手は立った状態から一本背負いなどでポイントを奪っている。僕はそのような立ち技をほとんどやったことがなかった。上のレベルで闘うためには、今までやってきた技術に加えて、立ち技も必要になる」

スパーリングで汗を流す屋比久翔平

 -12月には全日本選手権を控えている。
 「国内ではコンスタントに勝ってアジア大会につなげていきたい。甘くはないと思うが、全試合で圧倒的に勝利して結果を残す。そのために沖縄にいる間に基盤をつくって日体大に戻って調整する」

 -全日本選手権に向けてどのような準備をするか。
 「沖縄では走り込みやスパーリングをこなして体力面を強化している。スタミナを生かして相手を疲れさせるのが僕の持ち味だ。スタミナで押し切ってポイントを取るためにも、今の時期から体力を上げないといけない。まだまだ上半身が小さいので、もっと鍛える必要がある」

 -東京五輪が20年に行われる。
 「アジアで優勝やメダル獲得の結果を残して、東京五輪に向かいたい。東京なら沖縄から多くの人に来てもらえるので大きなチャンスだ。(五輪出場を)ものにするために小さいころから父(屋比久保氏・北部農林高レスリング部監督)と一緒にレスリングをやってきた。東京五輪に懸ける思いはものすごく強い」
(聞き手・平安太一)