ホテル内に診療所 沖縄・南城でタピック社、「医療観光」展開へ


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医療観光の核となるクリニック開設が予定されるユインチホテル南城=沖縄県南城市佐敷

 ホテルや観光施設などを経営する医療法人のタピックグループ(沖縄市、宮里好一代表)は医療観光事業を本格化する。傘下のユインチホテル南城(沖縄県南城市)の敷地内に「ユインチ健康クリニック(仮称)」を設置し、2017年9月以降の開業を目指す。長期滞在型医療観光の形成を狙い、リハビリテーションを中心としたクリニックを整備する。ユインチホテルに宿泊しながら、同クリニックに通う利用者の目標を年間50~100人とする。

 宿泊需要の増加を見込み、タピックはユインチホテル敷地内に新館を建設するほか、閉館中の「ホテルサンライズ知念」(南城市知念)も取得した。

 「健康クリニック」はリハビリテーションのほか、高度な脳検査ができる磁気共鳴画像装置(MRI)や、漢方医療も導入する。海外客の誘致に向け、今後同クリニックを拠点とした医療通訳の養成も視野に入れる。

 宮里代表は琉球新報の取材に対し「新たな医療施設は国内外の客だけではなく、地元客も気軽に使える施設にしていきたい。市民の病気予防にもつなげたい」と述べた。

 さらに「高齢社会の中に新しい観光を築き、高齢者が少々病気になっても安心して旅行できるようにしたい。今後世界一のメディカルホテルを目指したい」と意気込んだ。(呉俐君)