キビ80万トン超 6年ぶり 好天恵まれ大台


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 2016年度の沖縄県内のサトウキビ生産量は前期比6・9%多い82万7800トンを見込み、10年度以来6年ぶりに80万トンの大台を突破する見通しであることが18日、分かった。沖縄本島や宮古島、大東島地方を中心に台風の影響が少ないなどサトウキビにとって天候に恵まれたことが奏功した。

 日本分蜜糖工業会、県黒砂糖工業会が、ほ場調査をした上で11月1日時点の見込み量としてまとめた。

 沖縄本島は2・9%増の16万1千トン、宮古島市は5%増の34万557トンとなる見通しだ。本島周辺離島は南北大東島や久米島で大きく伸び、周辺離島全体で42・8%増の19万3千トンと大幅増を見込む。

 石垣島と与那国島では前期の収穫時期の長雨の影響から収穫が遅れ、今期の植え付けも後ろ倒しになったことや台風被害が響き、石垣島で11・4%減の6万7900トンを見込む。

 県内のサトウキビ生産量は2011年度に台風や病害虫被害の影響で54万トンまで落ち込んでいた。

 JAなどでは1年以上の長期栽培となる夏植えから、年に1回キビが収穫できる株出しへの移行などを進めたことが実を結んだとみている。

 日本分蜜糖工業会の上江洲智一会長(久米島製糖社長)は「天候に恵まれたことが大きい。農家の生産意欲が高まり、減少傾向が続いている作付面積を増やすチャンスだ」と強調した。

 JA沖縄中央会の砂川博紀会長は「本格的な回復に向けてはまだ道半ばだ。機運を高めるためにも再生可能な交付金水準の確保などが必要だ」と語った。