手術件数は全国一に 沖縄と鹿児島の医療法人、乳がん研究を共同推進


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医療法人「月桃会」の宮良球一郎理事長(中央)と社会医療法人博愛会の上山真智子氏(左)ら=24日、沖縄県庁

 12月1日付で医療法人月桃会を設立する乳腺・甲状腺専門の宮良クリニック(沖縄県浦添市、宮良球一郎院長)はこのほど、乳腺領域で国内有数の診療実績を持つ相良病院を中心とした社会医療法人博愛会(鹿児島県、相良吉昭理事長)と業務提携を結んだ。月桃会は今後、「さがらウィメンズヘルスケアグループ」の一法人として共同研究や臨床試験などを推進する。連携によりグループ全体の乳がん手術件数は国内一となる。

 宮良院長らによると、県を越えた乳がん中心の連携は沖縄初。同グループには宮崎県の医療法人ブレストピアも加わっている。2015年の乳がん手術件数は相良病院607件、ブレストピア病院335件、宮良クリニック81件で、総計1023件は同年の国内1位の実績となっている。

 連携で3法人の本部機能が統一されることを受け、研究・教育・データ管理や購買・銀行交渉、広報活動などが一体化。収益性やブランド力の向上が見込まれるという。また宮良院長は「米国など世界の臨床試験にグループだと参加しやすくなる」と述べ、連携の効果を強調した。

 宮良クリニックはこれまで地域完結型チームワーク医療を目指しており、産婦人科の美代子クリニック(沖縄県那覇市、宮良美代子院長)などとも連携。宮良球一郎院長は「得たものを沖縄県内で還元していく。充実した医療を提供しながら、次世代につなぎたい」と抱負を述べた。