頭山163センチが躍動、輝く Bリーグ2部・鹿児島レブナイズ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
積極的にリングに向かって得点を狙う鹿児島レブナイズの頭山竜之介=11月29日、鹿児島県の郡山体育館(平安太一撮影)

 バスケットボールの国内最高峰・Bリーグの2部、鹿児島レブナイズで、那覇市出身のルーキー頭山(とうやま)竜之介(23)が躍動している。特出できる点は163センチの小柄さ。Bリーグ1、2部の36チームの中でも165センチ以下の選手は頭山を含め2人だけだ。それでも巧みなドリブルと抜群のスピード、泥臭くボールに食らいつく守備力を武器に、プロの世界で輝きを放つ。「大きい選手にはできないような持ち味をもっと出したい」と力強く語る。(平安太一)

■全国3位に貢献

 バスケットを始めた小学生のころから「チームの中では小さい方だった」。身長で上回るライバルに勝つために、ドリブルの技術を徹底的に磨いた。「登校する時もドリブルの練習をしていた」。プレーの速さを上げることも意識し「身長で不利な部分をドリブルとスピードでカバーしようと思った」と振り返る。

 中学では県選抜メンバー入りし、全国大会の3位入賞に貢献した。実績を残し、進学した小禄高でさらなる成長を遂げた。当時の小禄高を率いていた嘉陽宗紀監督(現・豊見城高監督)から、「自分の得意なバスケを生かしたプレーを指導してもらった」という。スピードを生かしながらパスを受ける方法やドリブルで守備を突破する方法などを教えてもらい、「プロになった今でも生かされている」と感じている。

 フットワークを駆使して相手を止める技術も学び、「高校で守備が強化された」と語る。高校1年の九州総体では強豪・福岡大大濠との試合に出場。勝利をつかみ取り、「全国クラスの相手にも自分のプレーが通用した」と自信を深めた。

 頭山竜之介

■プロへの道切り開く

 今春の大学卒業後は一時、実業団でプレー。プロを目指す情熱から、複数チームのトライアウトを経て鹿児島に今年9月に入団。プロでは「自分の良さを出さないと始まらない」と持ち味のスピードやリングにアタックする積極性を前面に出している。「大きい選手にはできないような激しく動き回るプレーを目指している」と力を込める。鹿児島の鮫島俊秀ヘッドコーチは「(頭山の)小ささは長所で、ポテンシャルが高くいいとこばかりだ」と高く評価する。そして「今以上に自分の魅力を生かしてほしい」とさらなる飛躍を願う。

 頭山は「まだまだ期待されているようなプレーができていない」と現状には満足していない。「勝利に貢献してチームに必要とされる選手になる」と飛躍を誓う頭山。小柄な頭山が、どれだけコートで暴れ回るか。活躍が注目される。

沖縄の子どもに夢や希望与えて

 高校時代に指導した嘉陽宗紀監督の話 頭山選手はスピードやジャンプ力があって、味方もびっくりするようなパスを供給していた。サイズが小さくても努力や工夫次第でトップリーグの試合に出られることを示してくれた。これからも沖縄の子どもたちに夢や希望を与えてほしい。

<プロフィル>
 とうやま・りゅうのすけ
 1993年11月21日、那覇市出身。与儀小学校、寄宮中学校、小禄高校、中部学院大学を卒業。2016年から鹿児島に所属。身長163センチ、体重63キロのポイントガード。11月末時点で15試合に出場して20得点を挙げている。