被害認定、国に賠償命令 普天間騒音控訴審 W値75未満は認めず


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 米軍普天間飛行場の周辺住民約2200人が同飛行場から発生する騒音被害を訴え、国に損害賠償を求めた普天間騒音訴訟の控訴審の判決が1日、福岡高裁那覇支部で言い渡された。多見谷寿郎裁判長は一審と同様に騒音被害を認め、国に損害賠償の支払いを命じた。一方で住民が求めていた賠償額の増額は認めず、うるささ指数(W値)75未満区域の住民への賠償も一審を踏襲して退けた。

 損害賠償の基準はW値75以上区域で日額150円、W値80以上区域で日額300円。住民側弁護団によると賠償総額は約9億5千万円で、一審での総額約7億5400万円を上回るが、控訴審の期間の賠償額が加わったためとしている。

 判決は、住民側が訴えていた低周波音による被害も「個人差が大きい」などとして、共通被害とは認めなかった。一審で敗訴した部分の取り消しなどを求めて控訴していた国の訴えは、全て棄却した。

 住民側は今後、上告するかどうかを検討するとした。沖縄防衛局は判決について「国の主張について裁判所の理解が得られず、大変厳しい判断が示されたものと受け止めている」とコメント。今後の対応については、関係機関と調整して決定するとしている。