社会

父の墓前で涙 比残留県人 「みんなきたよ」

父・冨里樽二さんの墓前で涙する(左から)ハイメさん、サロメ・フミコさん、カリダッド・カズコさん、嘉味田光子さん=3日午前10時ごろ、糸満市喜屋武

 【糸満】フィリピン残留日本人2世で1日に初来日を果たした冨里サロメ・フミコさん(78)、冨里ハイメさん(76)、冨里カリダッド・カズコさん(71)のきょうだい3人が3日、父の故冨里樽二さんが眠る糸満市喜屋武の墓を訪ねた。3人は義妹の嘉味田光子さん(67)と共に線香を上げ、ハンカチで涙を拭った。

 1918年にフィリピンへ渡り、フミコさんら3男5女をもうけた樽二さん。戦時中に米軍の捕虜となり日本に強制送還され、以来フミコさんらと離別。今年10月にフミコさんらが日本国籍を回復し、今回初来日した。

 3人は墓の前に歩み寄ると座り込み、おえつを漏らした。光子さんは3人の背中をさすりながら「フミコもカズコも三男坊(ハイメさん)もみんな来たよ」と報告した。墓前には樽二さんの好物だったというバナナやメロンパンが供えられた。

 「こんな日が来るとは思わなかった。遅くなったが、父と話せて良かった」と感無量の様子で語るカズコさん。ハイメさんは「父には『私たちきょうだいはこれからも頑張っていく。心配しないで』と伝えた」、フミコさんは「亡くなるまで父を支えた沖縄の家族に感謝したい」と話した。

 光子さんは「父も喜んでいるはず。今後もきょうだいと文通などで交流したい」と語った。

 3人は墓参り後、ひめゆり平和祈念資料館や樽二さんが生前暮らした家を訪れた。4日に帰国する。