ダイヤモンドワイヤ製造・販売で世界第2位のシェアを誇る中村超硬(本社・大阪府堺市)は、今月からうるま市の国際物流拠点産業集積地域の賃貸施設に開設した新工場の稼働を開始した。同社の井上誠社長は5日、新工場で記者会見して発表した。アジアに近接する沖縄の地理的優位性を生かして中国などへの海外展開を強化し、県内工場の追加投資も見据える。
ダイヤモンドワイヤは、ミクロン単位のピアノ線にダイヤモンド粒子を固定させた糸状の切断工具で、太陽電池のシリコン部品切断に利用される。同社は第1期投資として約18億円を投じて新工場を整備した。敷地面積は1万2200平方メートルで延べ床面積は4770平方メートル。工場管理や技術者として県内在住のスタッフ約30人を採用した。
同社は世界最速の製造工程による低価格化、最高強度のダイヤモンド保持力により長寿命を実現した。世界的に太陽電池の需要が拡大する中、ワイヤの世界シェアを伸ばしている。
井上社長は「ワイヤのニーズは想像を超えて拡大している。来年中に(沖縄工場の)第2期の設備投資が必要になる可能性が高まった」と追加投資に言及した。「今は世界2位だが、沖縄工場をフル稼働させて第2期工事を完了、稼働させれば世界1位になれる」と抱負を語った。
中村超硬は1954年創業、資本金は30億3500万円(2016年9月末現在)。16年3月期の売上高は68億3600万円、経常利益は14億4千万円になる。