イリオモテヤマネコ事故死最多 今年7件目、絶滅危惧


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交通事故で死んだとみられる雄のイリオモテヤマネコ(西表野生生物保護センター提供)

 【西表島=竹富】環境省那覇自然環境事務所は7日、竹富町西表島の県道215号で4日に国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの死骸が発見されたと発表した。交通事故で死んだとみられ、事故死件数は今年過去最多の7件となった。西表野生生物保護センターは「1年間で生息数(推定100匹)の1割ほどが人の手で命を失っている深刻な状況にあることを知ってほしい」と保護の大切さを訴えた。

 イリオモテヤマネコの死骸は4日午後9時10分ごろ、路上で見つかった。雄の幼獣で体長約39センチ、体重1420グラム。外傷や骨折などはなかったが、路上で発見されたことから、同センターは交通事故で死んだ可能性があるとみている。

 事故防止に向け同センターは道路際の見通しをよくするための草刈りなど対策を急ぐとしている。

 交通事故は記録が残る1978年以降で75件(うち72件で死亡確認)となった。2013年に過去最多の6件を記録し、今年は発生が過去最悪のペースで進み、絶滅の恐れを高めている。