観光スタイル浮き彫り Wi―Fiで分析


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[台湾・香港]商業施設は回遊
[中国]特定の場所集中

Wi―Fiを利用し、観光情報などを調べる外国人観光客=那覇市おもろまち

 沖縄県内の無料公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の利便性向上を目指す沖縄全島フリーWi―Fi共同実証実験推進協議会は8日までに、那覇市内の「NAHA CITY FREE Wi―Fi」(那覇Wi―Fi)などを利用した外国人観光客の観光実態を分析した。ネットで「繁体字」を利用する台湾や香港人客は那覇市内の観光地や商業施設を回遊する傾向があるのに対し、「簡体字」利用者の中国人客は特定の場所や店舗に訪問先が集中していた。

 外国人観光客が困ることでは、県内のバス時刻表が読みづらいなどの意見が多かった。台湾や中国に比べると高額なバス料金を「殺人的価格」と表現し、不満を表す書き込みもあった。

 今年4~8月末まで外国人観光客による那覇Wi―Fiへのアクセス件数は約6万5千件あった。言語比率は、繁体字(台湾と香港)が32・2%で最も多く、英語が27・1%、韓国語が18・7%、簡体字(中国本土)が12・8%などと続いた。

 那覇市内での移動状況について、繁体字の利用者は首里城とおもろまちエリアへのアクセスが多く、口コミによる有名店での飲食体験や国際通りでの夜間滞在率が高いことなどから「那覇市周遊型」の観光体験をしているとみられる。

 簡体字の利用者は、クルーズ船客が多く滞在時間の制約があるため、観光ルートが固定化される傾向がある。クルーズ船が寄港する那覇市若狭周辺と、中国人客に口コミで人気のある沖映通りの飲食店などに集中している。

 同協議会はツイッターなどSNSでの沖縄観光に関する書き込みも分析し、外国人観光客はバスの時刻表(翻訳と見方)や本数、時間などに関する困り事が多く「バスマップや時刻表などを電子化してほしい」などの要望もあった。