プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区4位=10勝11敗)は10日、沖縄市体育館で栃木ブレックス(東地区2位=15勝4敗)と今季第22戦を行い、69―80で敗れた。第1クオーター(Q)はロースコアの展開になった。キングスは守備で踏ん張って互角の戦いに持ち込むと、第2Qに津山尚大や山内盛久がチームを引っ張って最大で7点差をつけた。39―38とキングスがわずかにリードして迎えた第3Q、リバウンドで優位に立った栃木に逆転を許した。キングスは第4Qにラモント・ハミルトンの活躍で粘りを見せたが、勢いを落とさない栃木に振り切られた。栃木との第2戦は11日午後6時から同体育館で行う。(観客3391人)
栃木 16勝4敗
80―69(15―16,23―23,23―14,19―16)
キングス 10勝12敗
【評】後半に勢いを増した栃木にキングスが逆転負けを喫した。試合の開始直後はシュートがリングに嫌われ、互いに点が伸びずロースコアになった。
キングスは津山の得点などで接戦に持ち込み、前半はわずかにリードを奪った。後半は栃木の攻撃が勢いに乗り、キングスは得点を伸ばせなかった。(平安太一)
◇戦えない相手ではない
伊佐勉HC(キングス)の話 最後は向こうのペースでバスケをされたが、それを除けば戦えない相手ではないと思った。
◇タフな試合になった
トーマス・ウィスマンHC(栃木)の話 琉球は非常に能力の高いチームで、勝つためにタフな試合になった。
◇いい雰囲気でできた
田臥勇太(栃木)の話 琉球は勢いがあり全員が激しく戦っていた。会場の雰囲気もすごくてさすがだと思った。沖縄で試合をするのは初めて。いい雰囲気の中でバスケができた。
◇強敵を苦しめる 勝利逃すも“らしさ”発揮
強敵の栃木を相手に、キングスは持ち味を存分に発揮した。激しくプレッシャーを与え続ける守備やスピード感のある攻撃が随所で光り、前半は互角の戦いだった。勝利には手が届かなかったが、山内盛久は「点差以上に差はないと感じた」。手ごわい相手でもキングスのバスケが十分に通用することを証明した。
第1Qの開始直後はミスが出るなど重苦しい出だしになったが、ダブルチームなど連係の取れた守備で失点を最小限に抑えた。第1Qの終盤に投入された津山尚大は中距離からリングを射抜き、同じく途中出場の山内が守備で粘りを見せキングスに流れが傾いた。
力の差が表れたのは第3Qだった。苦しいシュートがリングにはじかれるキングスに対し、栃木はオフェンスリバウンドを確実に拾い、セカンドチャンスから得点を重ねた。伊佐勉HCは「第3Qに流れを持っていかれた」と悔やむ。それでも第4Qにはハミルトンがインサイドで力を発揮。リバウンドや得点に絡んで最後まで食らいついた。
最終的には11点差をつけられ、ホーム5連敗。一方、キングスらしさを発揮して強敵を苦しめたことは収穫だった。主将の岸本隆一は「このままじゃ終わらない」と第2戦での雪辱を誓った。(平安太一)