中古住宅の需要増える 宮古・石垣が顕著 建築費高騰で新築敬遠


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 県不動産鑑定士協会の不動産市場DI調査では、政府が市場の活性化を推進する「中古住宅」の需要実感も調査した。需要が「増加している」との回答は50・5%と半数を占め、特に宮古島や石垣の離島部で64・7%と顕著な増加が見られた。増加の理由は、建築価格が高騰しているために「新築住宅の取得が困難」との回答が多数を占めた。

 需要者の意識変化や政策効果、リノベーション技術の向上といった要因よりも、価格面がネックになった消極的な選択という側面を浮き彫りにしたものの、同協会は「市場は確実に拡大している。建築費の上昇が収まるとどうなるかなど、今後の動向を注視していきたい」と指摘した。

 中古需要が「増加」と回答した割合を地区別に見ると、那覇市では市東部が53・2%、市西部が54・5%、小禄地区が52・6%と軒並み半数を超えた。浦添、豊見城、南風原の那覇市周辺部も50・0%で、都市部を中心に需要の増加が認められた。本島北部も54・8%だった。

 これに対し、本島南部は48・9%、本島中部は43・4%と、中古需要が比較的低い傾向が見られた。調査を担当した村山哲志不動産鑑定士は「区画整理地からの更(さら)地の供給が多く、新築需要が高いと考えられる」と分析した。

 地区別で唯一、「増加」の割合が6割を超えた離島部では、資材の輸送費や人手不足による人件費が上乗せされて本島以上に建築価格が高騰している。