沖縄銀がおきなわ証券子会社化 新たな収益源確保へ


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
    沖縄銀行本店(2014年)

 沖縄銀行は22日、沖縄県内唯一の地場証券会社、おきなわ証券(横山典生社長)の全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。同日、おきなわ証券親会社の日本アジア証券(東京)と株式譲渡に関する基本合意を結んだ。

 今後、取得額などの交渉を進め、2017年2月に正式に契約を締結する。取得予定株式は1123万7800株。日銀のマイナス金利政策により、利ざやの縮小など銀行の収益環境が急激に悪化する中、証券会社を子会社することで新たな収益源を確保する狙いがある。

 株式取得について沖銀は「総合金融サービスの拡充を進めることで、地域のお客さまの資産形成や地域社会の発展に資するものと判断して合意に至った」とした。沖銀は現在、投資信託や生命保険の販売を手掛けているが、おきなわ証券を子会社化することで、幅広い金融商品を取り扱えることになる。

 地方銀行による証券会社の設立や子会社化の動きは全国に広がっており、広島銀行や静岡銀行、千葉銀行や横浜銀行などが既に証券会社を傘下に持っている。

 おきなわ証券は2003年、沖縄証券と大宝証券が統合して誕生した。沖縄証券は1960年に沖縄初の証券会社として設立。大宝証券は61年に設立。2002年と03年にそれぞれ日本アジア証券の傘下に入った。

 おきなわ証券の2106年3月期の売上高は8億8800万円で、当期純損益は13億9200万円の赤字だった。一方、15年3月期は売上高が13億9200万円。純損益は3億1千万円の黒字となっていた。