重量挙げ全日本大学対抗 佐渡山58キロ級V 新垣2位


社会
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 重量挙げの第62回全日本大学対抗選手権大会兼第17回全日本大学対抗女子選手権大会は24日、埼玉県のさいたま市記念総合体育館で6階級を行い、女子58キロ級の佐渡山彩奈(宮古高-平成国際大)が頂点に立った。新垣愛恵(豊見城高-金沢学院大)は2位だった。同69キロ級の福里悠(宮古高-東京国際大)は3位に入賞した。

◇佐渡山 集大成の大会で自己記録 重圧越え2階級制覇

 女子58キロ級に階級を上げた4年生の佐渡山彩奈(宮古高-平成国際大)が昨年の53キロ級に続き、2階級制覇を飾った。今大会はスナッチ81キロ(1位)、ジャーク103キロ(2位)、トータル184キロの全てで自己ベストを更新。学生最後の大会を最高の形で締めくくり、喜びがあふれた。

 スナッチの1本目は、従来より約3キロ重い76キロから始め、成功させた。集大成の大会で重圧もあったが、むしろ「緊張で軽く感じた」。2本目の79キロも成功。3本目に自己ベストを1キロ超える81キロに挑戦。会場に響く応援に後押しされて「いくしかない」と気力で挙げた。

 スナッチの調子がいいとジャークは悪い流れが多いというが、この日は違った。95キロ、99キロを順調に成功させ、最後はトータル優勝を狙い「イチかバチか」で自己記録を3キロ上回る103キロに挑戦した。

 大会を通して意識した下半身をしっかり使う動きが、この最終局面でも徹底され、自己新記録の達成につながった。

 団体の点数を稼ぐため、同じ階級のチームメートに53キロ級を譲り、体重を約2キロ増やして階級を上げた。「4年間やって来たことや、自分やみんなを信じてやってやろう」と、階級を上げても頂点は譲らなかった。

 来年5月の全日本選手権では主戦場の53キロ級で挑む。同階級にはロンドンやリオ五輪に出場した八木かなえがいる。「今以上の記録を出し、追いつけるように取り組む」と笑顔の中にも言葉に力を込める佐渡山。

 この日の優勝に満足せず、さらに高みを目指す。

◇新垣、連覇逃し「悔しい」

 女子58キロ級の新垣愛恵(豊見城高-金沢学院大)がスナッチ81キロで2位、ジャーク101キロで3位となり、トータルで182キロの2位に入った。表彰台に上がったものの、昨年は1年生で優勝していただけに「悔しい結果」と振り返った。

 大学対抗で個人の優勝はもちろん、団体の順位を重視していた。チーム最年少の2年生で女子の1番手という極度の緊張からスナッチの1本目を失敗。重量を増やせず、得意のスナッチで2位に終わった。

 ジャークの3回目の試技では、総合優勝を狙い104キロに挑戦したが、惜しくも失敗。練習でも挙げたことのない重量は「重かった」と練習不足を感じた。

 階級を上げ優勝した4年生の佐渡山彩奈の活躍に刺激を受けた。

 今後に向けて「筋力とメンタルを強化したい」と掲げた。