キングス延長で屈す Bリーグ第27戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=11勝15敗)は25日、沖縄市体育館で秋田ノーザンハピネッツ(東地区6位=6勝20敗)と第2戦(今季第27戦)を行い、延長戦の末、74―79で敗れた。今年最後となる次戦(今季第28、29戦)は30、31の両日、国内トップリーグ初の通算9千得点を達成した46歳の折茂武彦がいるレバンガ北海道と札幌市でアウェー2連戦を行う。(観客3591人)

秋田(7勝20敗)
79―74(26―20,17―8,16―14,7―24,延長13―8)
キングス(11勝16敗)

第4Q、ドライブから切り込みシュートを決める山内盛久=25日、沖縄市体育館

 【評】第1クオーター(Q)を20―26で終えたキングスは得点源の喜多川を堅い守備で封じられ、第2、第3Qでのチーム得点は計22点と失速した。17点差を追う第4Qでは山内盛久が体当たりの攻守で13得点を挙げてチームに活気を与え、66―66で延長に持ち込んだ。延長ではこの日奮闘したハミルトンや山内が得点を重ねたが、ファウルによるフリースローで6点を奪われ、5点差で敗れた。(石井恭子)

◆守備位置悪かった
 伊佐勉HC(キングス)の話 一時20点差にまで開いた原因は明確で、守備のちょっとした位置が悪かったことだ。ボールの反対側に寄ってしまい、ボールピックの守備の8割ほどが甘くなった。そして守備で抑えてはいてもリバウンドを取り切れない時間もあった。bjを制覇で終えBリーグ元年に乗り込み、負けが先行するが、良くも悪くも「be stronger」(もっと強く)。一生懸命仕事していく。

◆6連敗抜けられた
 長谷川誠HC(秋田)の話 昨日やられた喜多川に白濱を付けたディフェンスが機能したのが一番の勝因だ。延長戦を落とした第1戦から切り替え、ベンチの気合も延長に入る雰囲気も全く違っていた。誤算は山内にやられた部分。6連敗も抜け、安藤や白濱など若い選手が多いので自信につながった。

◆第4Q 猛攻及ばず/山内 会場に熱気呼び込む

 17点差を追った第4Qで劣勢を覆し、2夜連続の延長戦勝利に迫ったキングスが、あと一歩及ばなかった。ようやく連敗を脱した直後の敗北となり「勝ちきれないのがチームの現状」(伊佐勉HC)だったものの、第4Qに26歳の山内盛久が見せたハッスルプレーは確実にコートと会場に熱気を呼び込んだ。目標のチームバスケもはまり、最多25得点のハミルトンは「山あり谷ありだったが今シーズンの1、2を争うクオーターだった」と評した。

 前夜の延長戦を制した功労者の喜多川修平を秋田の守備に封じられ、チームは足踏みした。しかし第4Q、久しぶりにシューティングガードに入った山内がドリブルや3点弾をたたき込むうちに風向きが変わり、チーム全体が躍動し始めた。2点を追う残り20秒、それまで0点に抑えられていた喜多川がフリースロー2発を沈め、振りだしに戻した。

 山内は「シュートが当たってる分、もっと周囲を使う攻撃もできれば良かった。その意味で収穫のある試合」と今後を見据える。

 シュートがリングにはじかれ続ける時間帯もあったが、伊佐勉HCは「打つべき選手が打っている。結果は入るか入らないかなので、躊躇(ちゅうちょ)せず打たせていくのが大事だ」と前向きに今後のシーズンを戦う覚悟を示した。(石井恭子)