「赤田のみるく」福州へ 路次楽隊18人、起源の地で感謝の演舞


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スネーイ(行列)で演舞を披露して練り歩く赤田のみるくと路次楽隊のメンバー=2015年、那覇市(赤田のみるくウンケー実行委員会提供)

 那覇市と中国福州市の友好都市締結35周年を記念して、首里赤田町の地域住民らで結成する赤田のみるくと路次楽隊が、1月10日に福州市で演舞を披露する。石川實団長は「福州から伝わったみるくが人々を幸せにする伝統行事になっている。感謝の気持ちを演舞で奉納したい」と意気込む。

 赤田のみるくは、1770年に福州市から持ち帰った「みるくの掛け軸」を元に、みるくの面と胴を仕立てたことが起源とされている。その後、無病息災と五穀豊穣を祈るスネーイ(行列)に発展した。1930年ごろに途絶えたが、地域住民らが聞き取り調査を重ねて94年に復興した。毎年8月と11月の行事で登場する。

 今回派遣されるのは、みるくとドラや太鼓、ラッパのような喇叭(つおな)などの楽器を演奏する路次楽隊として小学生から社会人まで18人。福州市在住で以前赤田町で留学した経験のある謝忱(しゃしん)さんも一緒に参加する。城間幹子市長らの訪問団と共に福州市を訪ね、10日に市内の琉球人墓地や琉球館、観光地の三坊七港でスネーイなどを披露する。福州市の師範大学の学生らとの交流も予定している。

 石川団長は「沖縄の演舞を見て、沖縄はいい所だと思ってもらえたらいい。文化を通して経済交流につなげたい」と抱負を語る。照屋寛孝副団長も「伝統芸能を通して国際人を育てようという人材育成の側面もある。那覇市と福州市の懸け橋になりたい」と期待した。