多様な性 受け止めて 那覇 全小中教員にLGBT研修


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
グループに分かれて意見交換する参加者=10日、那覇市役所

 那覇市内の全小中学校の校長と教員を対象にした性的少数者(LGBT)研修会(那覇市教育委員会主催)が10日、那覇市役所12階講堂で開かれた。管理職を含め全小中学校が対象で同様の研修会は沖縄県内初。講師として登壇した思春期保健相談士の徳永桂子さんは「人間は多様だという視点で、誰もが学びやすい環境をつくってほしい」と呼び掛けた。

 研修会には、市内の54小中学校から計108人が出席した。徳永さんは、日本労働組合総連合会が20~59歳の労働者千人を対象にした調査でLGBTが8%いるとの結果を示し「教員に知識がなく、気付いていないだけかもしれない」と指摘した。

 徳永桂子さん

 体と心の性に違和感を持っている子どもは、男女別のトイレや着替えなどでつらい思いをしているとして、トイレで性別の区分けをなくすことや、着替え専用の個室設置を提案した。

 子どもから相談を受けた場合は「一人一人求めていることが違うので、しっかりと話を聞くことが大事」と強調した上で「LGBTだと打ち明けるにはリスクを伴う。親に伝える場合は本人の承諾を必ず得てほしい」と話した。

 また「LGBTはその子どもが持つ一つの側面。いろんな子どもがいるうちの1人と受け止めてほしい」と求めた。

 研修に参加した仲井真小教諭の大城絵美さんは「打ち明けられる環境づくりが大事だと思った」と話した。