集え日系音楽人 沖縄の公演招待 来月、ペルーで公開審査


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 ラテンバンド「ディアマンテス」のアルベルト城間さんがプロデュースする音楽イベント「OKINAWA LATINA」が、海外のNIKKEI(日系)アーティストを発掘する企画に乗り出した。世界に350万人いるとされる日系人が自国と日本の文化を吸収して生み出す、かっこいい音楽を探し出すのが目的。2月4日にペルーで公開オーディションを実施し、勝ち抜いた1組を10月14日に沖縄市で開催する同イベントに招待する。今後、ブラジルやアルゼンチン、米国などにもオーディション開催地を広げていく予定だ。

日系アーティストの発掘に向け意気込む(左から)イクマあきらさん、ディアマンテスのアルベルト城間さん、トム仲宗根さん=23日、宜野湾市のスタジオG

 ペルーの公開オーディションには予選を突破した6組が出場する予定。40歳以下の若手が対象で、音楽のジャンルもさまざまだ。城間さんやイクマあきらさんらが審査員を務める。

 城間さんもペルー出身の県系3世。のど自慢大会で最高賞を受賞したのを機に、20歳で渡日。演歌歌手を目指したが、日本語の壁にぶつかり、演歌を諦めて親戚の住む沖縄に移り住んだ。沖縄で縁とチャンスに恵まれ、ディアマンテスの活躍につなげた。

 城間さんは「ディアマンテスは作ろうと思って作ったものではなく、求められる中でできあがったもの」と話し、第2のディアマンテスを生み出す企画ではないと強調。オーディション後も活動を支える考えで「日本でやっていくには甘くはないが、決してひとりぼっちじゃない。日本でも自分の国でも活躍できるよう支えたい」と語った。

 ディアマンテスの城間さんとトム仲宗根さん、イクマさんは「沖縄にも東京にもない日本が海外にある。そこで生まれてくる音楽を日本の人にも興味を持ってもらいたい」と、日系人が生み出す音楽の魅力発信に意欲を示した。(稲福政俊)