FC琉球、健闘の準V ニューイヤー杯沖縄R 札幌に1―2


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 Jリーグのプレシーズンマッチ「2017DAZNニューイヤーカップ」沖縄ラウンド最終戦は28日、県総合運動公園陸上競技場で行い、FC琉球(J3)が北海道コンサドーレ札幌(J1)に1―2で惜敗した。琉球は引き分けでも優勝だったが、勝ち点を逃して最終成績は1勝1敗の2位、札幌が1勝1分けで優勝した。ジェフユナイテッド市原・千葉が1分け1敗で3位だった。

 琉球、札幌とも無得点で折り返した後半、札幌は控え8人全員を交代した。先制点は後半12分、途中出場のMFジョリーニョが決め、同20分には途中出場のFW上原慎也(30)=西原高―沖縄大出=のアシストからMF菅大輝が追加点を挙げた。

 0―2の後半31分、琉球は途中出場したFW上門知樹(19)=与勝高出=がこぼれ球に反応し、得点を決めた。琉球はその後も攻め続けたが、得点機を生かせなかった。

札幌
 2―1(0―0,2―1)
琉球
▽得点者【札】ジュリーニョ、菅大輝【琉】上門知樹
▽順位 (1)札幌 勝ち点4(2)琉球3(3)千葉1

◇上門が躍動、初得点

後半、FC琉球のFW上門知樹(右から2人目)がシュートを決める=28日、県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 FC琉球は途中出場したうるま市出身のFW上門知樹がこぼれ球に反応、新シーズンに期待を抱かせる1点をこじ開けた。琉球に入団した昨季は8試合に出場し、得点に絡んだ記録は1アシストのみ。金鍾成監督が「ミスが少なくキックが落ち着いている」と評する2年目は、プレシーズンから好プレーを見せ「思った以上に動けた。自信につながった」とうなずいた。

 0―2の後半31分、ドリブルでゴール前に切り込んだMF富樫佑太が相手守備にボールをはじかれ、右サイドにいた上門の前にボールがこぼれた。上門は一瞬止まったもののシュートコースは見えていた。DF陣とGKがかぶっていたため、相手は反応できないと判断。右からゴール左下に流し込んだ。

 上門だけでなく、新加入選手も活躍した。途中出場のDF新井幹人が左サイドを縦に一気に切り込んで崩すなどして、何度も決定機をつくった。試合を通して琉球は中盤でボールをつないだ。だが守備は厚く、体格も大きいJ1チームは甘くなかった。前線のFW才藤龍治やMF知念雄太朗、富樫らと中盤の連係のアイデアがあと一歩足りず、なかなか得点にはつながらない。ゴール前の最後の崩しに苦しんだ。守備ではセットプレーやサイドの強化、失点リスクを防ぐ守備取りなど、チームとしての改善点は見つかっている。

 結果は黒星となったが、上門や新井ら若手や新顔の活躍は、選手層の底上げを感じさせる試合だった。新シーズンへ向け、得点機で躍動する琉球に期待したい。(崎原有希)

◇上原、決勝アシスト 見せ場つくり札幌V貢献

北海道コンサドーレ札幌の県出身FW上原慎也

 北海道コンサドーレ札幌の上原慎也は、2戦連続で後半からFW出場し、最前線で躍動した。地元で決勝点のアシストを決めるなど、何度も見せ場をつくり、チームの優勝に貢献した。

 0―0で折り返したハーフタイム、「僕らで試合を決めよう」と途中出場となったメンバー同士で確認し合ったという。その上原は出場すると、前線でプレスをかけ、得点機を演出。縦パスを受けると「冷静に出せた」と左から中央にアシストし、決勝点となる2点目につなげた。

 昨季まではDF登録だった。最前線での起用に「やりやすいポジション」と手応えを感じている。一方、試合終盤にFC琉球のボール保持率が高まると、プレスがかからず、逆に押し込まれて崩される場面があったことを反省する。

 優勝の喜びもつかの間、新シーズンに向け、試合で見えた課題の修正を模索する。「チームのためになるアシストや得点を増やしたい」と気合を入れ直した。