プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=14勝19敗)は29日、沖縄市体育館で新潟アルビレックスBB(中地区3位=18勝15敗)と第2戦(今季第34戦)を行い、77―74で競り勝って連敗を3で止めた。
試合の開始直後はキングスのシュートがリングに嫌われ、スコアを伸ばせずに新潟にリードを許した。第2Qからオールコートの守備で新潟のミスを誘って五分の展開に持ち込み、前半は39―45で折り返した。第3Qの序盤はリズムに乗れなかったが、田代直希が攻守で奮起して逆転すると、第4Qも積極的にリングを攻めて逃げ切った。
キングスは2月4、5の両日、神奈川県の横須賀アリーナで中地区首位の川崎ブレイブサンダースとアウェー2連戦を行う。
(観客3255人)
キングス(15勝19敗)
77―74(15―21,24―24,22―14,16―15)
新潟(18勝16敗)
【評】後半に勢いを増したキングスが新潟に逆転勝ちした。前半はいい形で攻撃を組み立てながらもシュートが決まらず、新潟に先行を許した。キングスはコート全体を使った守備で新潟のミスを誘うと徐々にリズムが出てきて、田代や渡辺らの若手が奮起して第3Qに逆転した。新潟は後半に得点が伸びずに苦しんだ。(平安太一)
◆やるべきこと徹底
伊佐勉HC(キングス)の話 選手がプライドを懸けて戦って連敗を脱出してくれた。プレータイムが偏って難しい状況にしてしまったが、出ている選手がチームのためにやるべきことを徹底していた。田代も彼らしいプレーでチームに貢献した。今後のチームにとって大きな試合だった。
◆交代うまくいかず
庄司和広HC(新潟)の話 選手の出場時間をシェアできず、交代がうまくいかなかったことが反省材料だ。キングスの渡辺選手にリバウンドを取られすぎたことが誤算で、田代選手にもやられすぎた。ファウルももらえなかったので、もう少し賢くプレーしたい。
◆2新人 チームけん引/田代23点、渡辺11リバウンド
キングスを勝利に導いたのは2人のルーキーだった。今季から加入した田代直希は「ボールを持ったらシュートを狙いにいった」と言うように果敢に攻め、チーム最多の23得点を挙げた。昨年12月にプロ契約を結んだ渡辺竜之佑は11リバウンドを拾い、チームの好機につなげた。「泥臭いプレーを目指していた」と満足そうにうなずいた。
第1Qから新潟にリードを許し、第2Qに最大11点差をつけられた。波に乗りきれない重苦しい時間に、田代はミドルシュートにドライブ、速攻と連続で点を挙げた。「このままいこうと思った」と手応えをつかむと、第3Qに入ってもバスケットカウントを決めるなど存在感を発揮した。さらには「狙っていた」というブロックショットを決め、直後に逆転の2点シュートを沈めた。
キングスが2点リードで迎えた第4Qは、渡辺がリング下で仕事を果たした。新潟の選手の動きを見極め、「しっかり中に入っていこう」とリバウンドに絡み続けた。第4Qだけで7リバウンドを記録し「体力的にきつくても粘り強く動いた」と最後まで集中していた。
フリースローの成功率が57・9%にとどまるなど課題はあった。ただ競り合った終盤に崩れないなど、収穫も多かった。次戦は現在リーグ最高勝率を誇る川崎が相手だ。田代は「アグレッシブにプレーしたい」と強敵にも全力で立ち向かうことを誓った。(平安太一)