オスプレイ事故、大惨事想定 米軍が確認書、対応手順判明


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 米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの緊急時の対処手順などをまとめた米海軍のチェックリスト(確認書)の全容が3日までに判明した。空中給油中に給油機のホースや装備の一部がオスプレイに衝突する可能性があると記しており、プロペラに当たれば「大惨事を引き起こしかねない」と指摘している。

 その上で機体に衝突した場合はすぐに着陸するよう定めている。給油機のホースとオスプレイの給油管(プローブ)が外れなくなった場合も想定、給油機側でホースを「ギロチン(切断)」することも定めている。この場合、固定されていないホースがオスプレイに接続したまま飛行を続ける不安定な事態も想定される。

 昨年12月の名護市安部でのオスプレイ墜落事故では、米軍の説明によると空中給油中にホースとプロペラが接触したことがきっかけで起こったが、詳しい状況は明らかになっていない。墜落機は通常機体に収まっている給油管を伸ばしたままの状態で墜落しており、給油管を収納できない事情があったとみられる。

 確認書ではほかに不時着水の手順も定めている。不時着水についての「警告」では「不時着水の生存可能性は着地速度が30ノット以上で減少する」と指摘している。その上で必要があれば、操縦席の窓は投棄することなどを求めている。

 そのほか車輪などの装備の損傷や操縦席内での火災時の対処、エンジンが停止するトラブルなどの事態についても詳述している。

 表紙には機密保持のために「内容を開示させたり、文書を再生したりできないようにするため、あらゆる手段で破壊するよう」破壊指示も付記している。

 表紙の注意書によると、米海軍航空システム司令部の指示の下、米海軍作戦部長の責任で2011年6月15日付で作成された。その後、13年10月15日、14年7月1日と改定されている。

 オスプレイの車輪の損傷を巡っては、名護市の墜落事故と同じ日に別のオスプレイが車輪の不具合で普天間飛行場に胴体着陸した事故も発生している。