自己決定権回復へ連帯 浦添で琉球・アイヌシンポ


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 政府制定の「北方領土の日」(2月7日)に反対し、北方四島などでアイヌ民族に自治権を認めるよう求める「琉球・アイヌの自己決定権シンポジウム」(アイヌ民族と連帯するウルマの会主催)が4日、浦添市のベッテルハイムホールで開かれた=写真。登壇者は琉球とアイヌがともに明治期に中央政府に郷土や文化を奪われ、現在も自己決定権が侵害されていることを訴え、連帯を呼び掛けた。

 旭川アイヌ協議会会長の川村シンリツ・エオリパック・アイヌさん(65)=北海道旭川市=は北方四島について「アイヌの自治区をつくってほしい。そこでサケを取って暮らしたい」と話した。「政府はアイヌを先住民族と認め、琉球人は認めていない。認めれば先住権も認めなくてはならず、米軍基地の土地を沖縄の人々に返さなければならなくなるからだ」と指摘した。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は、戦前から戦後にかけて人類学者が持ち去ったアイヌ民族、琉球人らの遺骨が全国の大学などに保管されている問題について「持ち去られた地域で合意形成し、返還を求めるべきだ」と呼び掛けた。沖縄国際大学の渡名喜守太非常勤講師も登壇した。