紅型柄の命名畳 「一生もの」をPR


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畳と紅型のコラボレーションで開発した「命名畳」を手にする高江洲周作さん(左)、吉濱愛さん=豊見城市名嘉地のたかえす畳店

 【豊見城】畳と紅型の異色のコラボレーション商品が誕生した。豊見城市名嘉地で「たかえす畳店」を経営している高江洲周作さん(37)が、浦添市前田で「城紅型染工房」を開いている吉濱愛さん(36)と連携し、紅型のデザインを用いたオリジナル商品「命名畳」を開発した。2人は「家族、友人の出産祝いのプレゼントなどに使ってもらえたら」とPRしている。

 高江洲さんは2014年に「畳を使った新たな商品が作れないか」と考え、出産時に内祝いで親族や友人らに配る「命名紙」に着想を得て、紙を畳に置き換えた命名畳を開発した。さらに沖縄らしさを取り入れるため試行錯誤をしていた中、友人から吉濱さんを紹介され、16年8月ごろから紅型デザインの命名畳の開発に取り組んだ。

 吉濱さんも「畳に紅型のデザインを取り入れるというのは聞いたこともなかったし、面白そうだと思った」と全面協力し、試作を重ねて今年1月に製品を完成させた。縁起のよい松竹梅や鶴亀に加え、赤瓦などもデザインし、沖縄らしさを演出した。命名畳は長さが約55センチで幅が約38センチ。畳表に特殊な印刷機器で紅型の図柄をプリントしている。

 高江洲さんは「畳の特徴がよく出ていて、年数がたつほど風合いが出るような商品にできた。これをきっかけに畳の良さを知ってもらえたら」と話した。吉濱さんは「畳も紅型も日常生活で利用されなくなりつつあるが、誕生祝いのプレゼントなどで利用してほしい。紙と違って一生ものになる」と良さを強調した。

 高江洲さんと吉濱さんは第2弾として、畳のへりに紅型のデザインを取り入れた商品の開発にも取り組んでおり「今後も新しいことに挑戦していきたい」と意気込んでいる。

 命名畳は1枚1万2千円で販売している。問い合わせは、たかえす畳店(電話)098(996)4151、城紅型染工房(電話)098(887)3414。