脳内出血、八重山が男女とも死亡率最悪 全国の2倍超


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 複数の市町村にまたがる2次医療圏(全国344カ所)のうち、脳内出血の死亡率(標準化死亡比)が八重山(石垣市、竹富町、与那国町)は2008~12年で男女ともに全国ワーストだったことが国際医療福祉大学大学院の埴岡(はにおか)健一教授の調査で分かった。全国値を100とした場合、男性は273・0、女性は226・7だった。埴岡教授は八重山が特に死亡率が高い理由は不明だとしつつ「医療体制を見直すとともに、地域で生活習慣の見直しも必要だ」と指摘した。

 八重山の死亡率は男性が2位の岩手県釜石を80ポイント以上、女性は40ポイント以上引き離してのワーストとなった。県立八重山病院の依光たみ枝院長は「全国的に見てこんなに多いとは思わなかった」と驚いた様子で話す。

 八重山病院には脳神経外科医が14年4月からおらず、6月に脳神経外科医が赴任するまで専門医が不在となっている。脳内出血は外科で診療・治療しており、手術が必要な場合は島内の開業医の応援や県立宮古病院に搬送している。依光院長は「(脳内出血の患者は)状態が悪くなってから運ばれることが多いので高血圧や食生活など生活習慣が関係している可能性がある」とした上で「なぜ八重山で多いのか、早急にデータを研究したい」と話した。

 埴岡教授は「八重山が全国値より数値が飛び抜けて高い理由については分からない。救急医療など医療体制を見直すとともに、生活習慣を見直し予防していくことが大切だ」と語った。