宮森小事故、多角的に表現 ひまわりキッズシアター最終公演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
小那覇舞天歯科医院での一場面。友人をジェット機墜落事故で亡くした「まりえ」(左から2人目)は友人の分も楽しく生きようと決意する=1月29日、うるま市石川の宮森小学校体育館

 【うるま】うるま市石川の小学生児童劇団「石川ひまわりキッズシアター」の最終公演「私たちの空」が1月29日、うるま市石川の宮森小学校体育館で開かれた。「私たちの空」は1959年の宮森小ジェット機墜落事故を背景に、米兵の父の背中を追い米空軍のパイロットになるも、人の命を奪うことに葛藤する青年の姿や、事故から生還するも生き残った罪悪感に苦しむ少女らの姿を描いた3部構成の劇。児童らの熱演に観衆は拍手を送った。

 ジェット機墜落直前の児童らによる楽しげな恋愛トークやハリセンを用いた米空軍の訓練など、劇中にちりばめられたユーモアが会場の笑いを誘った。一方、事故や米空軍による空爆など悲惨な場面は音と光、過去の写真を中心に演出した。観客は楽しい日常が突如奪われるさまを、静かに考えるように見詰めていた。

 目を潤ませながら舞台を見ていた劇団1期生の知花里奈さん(14)は「活動を通して夢を見つけられた」と振り返る。「たくさんの思い出が詰まっていて、解散は悲しい。いつか再結成したい」と力強く話した。

 ジェット機墜落事故で亡くなる生徒役の金城南和さん(12)=宮森小6年=は「事故で亡くなった人の思いや出来事を、今後も宮森小出身者として伝えていきたい」と話した。