キングス敗れる Bリーグ第38戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=16勝21敗)は19日、沖縄市体育館でサンロッカーズ渋谷(中地区4位=16勝19敗)と第2戦(今季第38戦)を行い、71―87で完敗した。第1クオーター(Q)はキングスと渋谷がともに得点を伸ばして接戦となった。キングスはレイショーン・テリーがリングにアタックして点を伸ばすも、ミスから失点を重ねた。第2Qはキングスのシュートがリングに嫌われて、35―40とリードされて前半を終えた。第3Qは激しい守備からリズムをつかみ点差を詰めた。しかしミスを減らすことができず、高確率でシュートを決める渋谷に引き離された。キングスは22日、愛知県体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェー戦を行う。(観客3055人)

SR渋谷(17勝19敗)
87―71(17―22,23―13,25―19,22―17)
キングス(16勝22敗)

 【評】守備が機能不全に陥ったキングスが渋谷に敗れた。第1Qはダブルチームなど連係の取れた守備を見せたが、第2Q以降は渋谷に簡単なシュートを何度も許した。第3Qに一時、好守備で持ち直したが、長くは続かなかった。渋谷は内外でバランスよく点を重ね、リバウンドでも優位に立ち続けた。(平安太一)

◆流れが来なかった
 伊佐勉HC(キングス)の話 流れが来ないまま相手が乗ってしまって、最後はどうしようもなくなった。第2Qで流れが相手に傾き、第3Qにこちらに戻そうとしたが我慢しきれなかった。流れが悪いときに、どうやってこちらに戻すことができるかが今後の課題だと感じた。

◆一つ一つ大事に戦う
 BTテーブスHC(渋谷)の話 (自チームが)前日の試合とは違うチームのように感じた。やればできると言うことを見せることができた。ただ、自分たちが安定して戦えていないということでもあるので、改善が必要だ。ここから試合が続くので、一つ一つを大事に戦う。

◆悪循環でペース乱す

キングス-渋谷 第4クオーター、体を張ってボールを奪うキングスの渡辺竜之佑=19日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 まさに悪循環だった。内外から簡単にシュートを打たれる隙だらけの守備でキングスは失点を重ね、攻撃では選手同士の連係がかみ合わずにターンオーバーを繰り返した。持ち味の堅守を維持できずにペースを乱し、苦境を打開する糸口をつかめず大敗した。伊佐勉ヘッドコーチは「うまくいかないディフェンスがオフェンスにも影響した」と渋い表情で語った。

 試合の入りは悪くなかった。各選手が連係しながら相手の攻撃を止めると、テリーや岸本隆一が内外からリングを射抜いた。渡辺竜之佑もリバウンドや得点に絡んでチームを勢いづけた。岸本は「第1Qはディフェンスを意識してやっていた」と好守備でリズムに乗っていたと感じている。

 しかし第2Qから流れが一変する。相手攻撃陣へのチェックが甘くなり、同じ選手に何度も点を奪われた。悪い守備を引きずったままの攻撃ではフリーのシュートも決められず、第4Qの途中で20点以上のリードを許した。岸本は「足が止まってしまって、いいディフェンスを遂行できなかった」と悔やむ。

 この日は11得点9リバウンドと気を吐いた渡辺も、「求められた守備ができていなかった」と反省を口にする。堅守を見せた時間はキングスのペースになるなど、次につながる好材料もあった。岸本は「アグレッシブなプレーを忘れずにやることが鍵になる」と強調。上位浮上のために、次戦ではキングスらしさを発揮することを誓う。(平安太一)