労働法令違反873件 時間外労働、残業不払い 沖縄県内の事業所


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 沖縄労働局労働基準部のまとめによると、2015年に県内5労働基準監督署が定期監督を実施した事業場1069件のうち、82%の873件で労働基準関係法令の違反があった。違反率は14年比6ポイント増で、全国より13ポイント高かった。

 うち時間外労働に関し労使で結ぶ「36(さぶろく)協定」を締結しないまま、時間外労働をさせるなどの違反が22%(240件)で最も高かった。時間外や休日、深夜の労働に対し、割増賃金を払わないなどの違反が19%(201件)で続いた。

 労働条件を明示しない違反は14%(147件)で、パートやアルバイトといった非正規労働者に対する労働条件の書面明示が定着していなかった。業種別の違反率では、製造業と接客娯楽業がそれぞれ84%で最も高かった。

 実際に働く労働者からの申告による監督事業場は406件(14年比18件増)で、賃金不払いの内容が304件で最多だった。業種別では接客娯楽業が84件(21%)、建設業83件(20%)、商業67件(16%)だった。

 定期監督などを受け、労働基準監督官が書類送検した事例は6件だった。沖縄労働局労働基準部は「違法な長時間労働は厳しく取り締まっていく」と話している。