沖縄県初、災害弱者支援へ 石垣市、要援護者の避難所建設


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石垣市が計画する福祉避難所の建設予定地。県内初の要援護者の避難支援に特化した施設となる=石垣市大川

 【石垣】石垣市は、高齢者や障がい者などの要援護者が災害時に安全に避難生活を送れる「福祉避難所兼ふれあい交流施設」の建設を計画している。要援護者に特化した避難所整備は県内初。市大川の県八重山農村青少年教育センター跡地に建設し、早くて2018年3月ごろ利用を始め、災害弱者の支援態勢強化を目指す。

 要援護者は高齢者、障がい者、重病患者、妊産婦、乳幼児のほか観光客や外国人などで、そのうち65歳以上の1人暮らし高齢者など第三者の支援を要する在宅者を避難支援の対象者と位置付けている。

 市は現在、避難支援が必要な在宅者を把握するため登録制度で名簿をとりまとめており、17年2月23日現在で469人となっている。

 市によると、要援護者の名簿作りは他市町村でもあるが、1人で避難が困難な住民の避難方法が課題となっている。市は福祉避難所の整備に合わせ、名簿登録者それぞれの避難経路や支援策などを確立し、支援態勢の構築を図る方針だ。

 敷地面積は約1300平方メートルで現存の建物を取り壊し、6月着工を予定。新たな施設は2階建て、延べ床面積約975平方メートルで、事業費は約3億円を見込んでいる。

 市の担当者は「一般的な避難所は避難者が自分で生活するが、福祉避難所は、避難後のケアまで想定している。災害弱者に特化して対応し、避難しても安心して生活ができる仕組みを整備したい」と話した。平常時は福祉活動を実践する交流施設として活用する予定だ。(謝花史哲)