伝統セーラーコサージュに 名護高制服70年 最後の“着用”へ


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伝統の制服でバラの花のようなイメージで作ったコサージュ

 【名護】1期生から70年余にわたって使用してきた県立名護高校の男女の制服が今年の卒業生を最後に姿を消す。3月1日の卒業式に向け、同校の保護者や教職員らPTAは、制服を材料にしたコサージュ作りに取り組んでいる。作るのは全卒業生315人と担任教諭8人の計323個分。卒業生たちは伝統ある制服を材料にしたコサージュを胸に着けて卒業式に出席し、学びやを巣立つ。

 同校は1946年の1期生から男子生徒は学生服、女子生徒はグレーのセーラー服を着用してきた。しかし、フロンティア科の新設など新たな学校改革の一環で、2015年4月の入学生からはブレザーによる新制服を導入しており、学生服、セーラー服は今回の卒業生が最後の着用となる。

 コサージュは女子のセーラー服のスカートを主な材料に「バラ色の人生を送ってほしい」との思いを込め、バラの花をイメージした形を作り真ん中に男子の学生服のボタンを付ける。1月下旬から毎週水曜の夜に保護者らが集まって約2時間、製作に取り組んできた。

伝統の制服のスカートを材料に作ったコサージュを手にする保護者ら=名護市の県立名護高校

 PTA3学年部長の与那国かおりさん(48)は「(戦前の)三中時代からの伝統がある。卒業生自身だけでなく、同窓会や皆さんの思いを持って卒業してくれたらと思う」と期待した。

 コサージュ作りをしている屋嘉比都さん(48)は、母・ミヨ子さん(73)、長女・稚子(わかこ)さん(23)、次女・奏子(かなこ)さん(21)と今回卒業する三女・結子さん(18)の親子3代5人とも同校でセーラー服の制服を着用してきただけに思い入れが深い。都さんは卒業生に向けて「それぞれの道へのスタート。壁にもぶつかると思うが、友達も大事にしながら頑張ってほしい」と語った。