沖縄-愛媛-北海道 農作業バイト、繁忙期にリレー


この記事を書いた人 平良 正

 製糖期にアルバイトで沖縄に来て、サトウキビの収穫を支える援農隊や製糖工場で働く人が減少する中、JAおきなわ(大城勉理事長)は本年度から北海道、愛媛県の農協と連携して農作業のアルバイトをリレー形式でつなぎ、労働力の確保を目指す取り組みを始めた。3地区は農繁期が重ならず農協側は農作業経験者を安定的に確保できるとみる。アルバイトをする人にとっても、3地区を移動することで収入を安定させられるメリットがあり、期待が高まっている。

 提携するのはJAおきなわ、愛媛県のJAにしうわ、北海道のJAふらのの3農協。ふらのでは4月から10月にかけてメロンの品質管理やスイカ、ミニトマトの定植から収穫に約120人を雇用している。にしうわでは11月から12月中旬にかけてミカンの収穫や選果作業で200人を雇用している。おきなわが12月から3月まで続く製糖期に迎え入れ、4月からは再び北海道に行く。農業のみで年間を通してアルバイトができるサイクルをつくり出す。

 農業は収穫などで人手が必要な時期が一時期に集中することから、農繁期に限ってアルバイトで人員を雇い入れることが一般的だ。だが、東日本大震災による復興需要や東京オリンピックに向けた建設工事に人手が取られていることもあり、全国的に農業のアルバイトは減少傾向にある。

 おきなわではこれまで各工場単位の募集や、アルバイト経験者同士のネットワークで必要な人数を集めていたが、今期は必要な人員約250人中、従来の手法で集まったのは200人程度にとどまり約50人を派遣会社から迎え入れた。だが派遣会社に支払う紹介料などで人件費が2割程度高くなり、派遣される人が変われば新たに教育するコストもかかる。

 アルバイトの全国循環により「リピーターが増え、作業効率も上がる」とおきなわは期待を寄せる。2016年12月にはおきなわの担当者が愛媛県に行き、現地でアルバイトしている人を対象に説明会を開催した。

 16年度は急な応募で数人程度だったというが、認知度が高まると共に定着も進むと見る。