施設利用拒否「誤った判断」 県博管理者、市民団体に謝罪


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 東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター(緒方修センター長)の講演会が県立博物館・美術館(田名真之館長)から施設利用を拒否された問題で9日、同館の指定管理者・一般財団法人沖縄美ら島財団の博物館・美術館統括責任者である大城慧(けい)総務班長と同財団本部の福地敬(たかし)総務部長が那覇市久茂地の同センターを訪ね「政治活動と見なしてしまったのは誤った判断だった。おわびする」と述べ、謝罪した。

 財団は当初4月から運用する考えだったが、規定ができていないのに運用したことも謝罪した。県と調整を要するため規定決定の時期は未定。それまでは、これまで通り特に制限せずに運用する。

 経緯について大城班長は取材に「会議は開いていない。稟議(りんぎ)書が順に上がってきて最後に私が決裁した。日付も見落とした。政治活動、宗教活動、営利活動は不許可とする方向だったので政治活動と判断してしまった」と述べた。講師名や同センターの役員名からは判断していないと強調した。

 緒方センター長は「謝罪は求めていない」とした上で「県立博物館・美術館は県を代表する公共的施設。一般で使える最良の場所だ。それが政治的だといって使えなくなると、他の施設もみんな使わせなくなる恐れがある。それを一番心配した」と語った。