台湾コスメ大手が沖縄進出 久米島の企業と世界展開へ


この記事を書いた人 新里 哲
合弁会社設立に向けた合意書に調印するポイントピュールの大道敦社長(中央)と太和生技グループの郭靖凱社長(左)=14日、県庁

 台湾の大手化粧品メーカー・太和生技(たいほせいぎ)グループの郭靖凱(かくせいかい)社長と、海洋深層水を活用した基礎化粧品を開発するポイントピュール(久米島町)の大道敦社長が14日、県庁で会見し、共同出資で沖縄に新会社と生産工場を設立し、アジアや欧米向けに化粧品を輸出展開していくことを発表した。

 太和生技はロレアルなど世界的な化粧品ブランドの受託生産(ODM、OEM)を手掛ける。沖縄進出でメード・イン・ジャパンの技術とブランド力を導入し、欧米市場の高級分野でシェア拡大を狙う。

 ポイントピュールは日本式の生産管理や従業員採用など現地での運営ノウハウを新会社に提供し、自社開発商品の海外販路を獲得する。2018年からの生産・出荷開始を目指し、年内の合弁会社設立に向けた作業を進める。

 新会社は当面、海外や国内ブランドから受託生産した化粧品製造を中心に進める。出資比率は太和生技が51%以上を有する。国際物流拠点産業集積地域うるま・沖縄地区の賃貸工場への入居を検討しており、50~100人の雇用を想定している。

 郭社長は「販売の6割は欧州と北米市場向けで、初年度の売上高は年間1千万米ドル(約12億円)以上と考えている」と述べた。大道社長は「太和生技の販路を生かして国内外に展開する。ポイントピュールの製品もアジアやヨーロッパに発信したい」と語った。