沖縄県名護市にある北部農林高校の敷地内にある水路で、絶滅危惧種の淡水魚タウナギや沖縄在来のドジョウが多く生息していることが分かった。同校の生物研究部の生徒5人らと沖縄美ら島財団の共同研究、調査で判明した。同研究は琉球大学の新聞「琉大ジャーナル」にも掲載された。
研究では分子解析も実施し、両種が沖縄在来のもであることが分かった。沖縄在来のドジョウとタウナギは水田や池、沼の減少や観賞用としての乱獲で、その数が減ってきた。しかし、校内にある水路ではそれらの外的脅威にさらされることがなかった。そのため約半世紀、生息環境が結果的に守られ、多くのタウナギやドジョウが生息している。
同調査の報告書の中で校内の水路に関して「このような高い密度で両種が発見された報告はなく、少なくとも県内で、これまでに類をみない高密度な生息域といえる」とまとめている。
調査した中野陽葉さん(16)=1年=は「校内の水路に貴重な生物が多数生息していることに驚いた」と話す。東江涼夏さん(18)=3年=は「泥だらけになりながらも生物を採取するのは大変だったが、良い思い出になった」とほほ笑む。
生物研究部の3年生3人は今年3月に同校を卒業した。