サンゴ植え付け総面積3・2ヘクタール 座間味など、世界最大規模


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県が2010年から座間味村や読谷村、恩納村の沿岸部で実施してきたサンゴ種苗の植え付けの総面積が、世界最大規模の3・2ヘクタールに達している。19日に浦添市の国立劇場おきなわで開かれた「さんごの海フェスタinおきなわ」で、県自然保護課自然保護班の出井航班長が報告した。

 植え付けはサンゴ礁保全再生事業の一環として開始され、16年度が最終年度。出井班長は「失敗を繰り返しながらも知見を蓄積し、実現することができた」と振り返り、次年度から新たな事業として地域主体でサンゴの植え付けや継続的なモニタリングに取り組む「モデル地域」の構築に着手する意向を示した。

 環境変化がサンゴ礁に与える影響について講演した国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの山野博哉センター長は、二酸化炭素の大量排出により、近年、沖縄の周辺海域を含む各地で海洋酸性化が深刻化していると指摘。「このまま二酸化炭素を出し続ければ、高水温と海洋酸性化により2070年代には日本近海からサンゴ礁が消滅する」と警鐘を鳴らした。

 イベントでは他に、きいやま商店による沖縄県サンゴ礁保全再生応援ソング「1、2、サンゴー!」お披露目ライブや、ヒトデやナマコに触れる体験型ブースなどが設けられた=写真。