クラスA事故率突出 10万時間に3・44件 オスプレイ 海兵隊機全体は2・83


この記事を書いた人 平良 正

 米海兵隊は1日までに、2012米会計年度(11年10月~12年9月)から16会計年度(15年10月~16年9月)の5会計年度の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイのクラスA事故率について、10万飛行時間当たり3・44件だと琉球新報に回答した。同じ5会計年度の米海兵隊の航空機全体のクラスA平均値の2・83を上回った。

 「クラスA」事故は被害総額が200万ドル(約2億2千万円)以上か、死者が出た時などが対象となる。

 米海兵隊が公表したオスプレイのクラスA事故率は、16年9月末までに発生した事故を対象としているため、同年12月に名護市安部で発生し、クラスAに分類された墜落事故を含むと、10万飛行時間当たりのクラスA事故率はさらに高くなるとみられる。米海兵隊は琉球新報に対し、回答した値が「現段階で有している全てだ」とした。

 オスプレイが沖縄に配備される前の12年8月、在沖米軍トップのケネス・グラック四軍調整官(当時)は、10万飛行時間当たりのオスプレイのクラスAの事故率について、米軍が運用する他の航空機と比べ低い部類に入ると指摘し「最も安全な航空機」と強調していた。

 オスプレイを巡っては、今年1月にイエメンで発生した「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」事故を米海軍安全センターが発生直後に「クラスA」に分類したが、破壊するという運用上の決定がなされたとし、機体の致命的な損傷は「ハードランディング」が主な理由ではないとして「クラスC」に格下げした。この事故がクラスAとしての分類が続いていれば、クラスA事故率はさらに膨れ上がるとみられる。

 米海兵隊は取材に対し、「提供したデータは飛行中に発生した事故に限る」と説明した。(島袋良太)