「一番新鮮な生ビールが飲める商店」 オリオン名護工場のお向かい!知名商店


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商店外観。店主の知名さんが自ら作ったテーブルセットは憩いの場となる

 「一番新鮮な生ビールが飲める商店」との評判で地元客のみならず、中南部からも客が行列をつくる。本島北部・名護市東江のオリオンビール名護工場の斜め向かいにある知名商店。工場から当日出荷の生ビールを毎日仕入れ、店内のビールサーバーで直接注いで販売する。工場から仕入れるだけではなく、場合によっては店主の知名定淳(さだあつ)さん(57)が工場まで自ら取りに行くという。「倉庫が無いから売る分だけ仕入れている」といい「前日のビール」がない店だ。

 今の場所に店を構えたのは1989年、平成が始まった年だった。元の店は55年前後、名護のシンボルのひんぷんガジュマルのそばで開店した。当時は日用品や食品を幅広く扱う「何でも屋」だったが、道路拡張を機に移転した先では目の前にスーパーがあった。ならばと、工場そばの立地を生かして酒類に商品を絞った。それでも近所の子どもたちのためにとアイス類の販売は続けている。

店主の知名定淳さん(左)と従業員の城所晴代さん(右)、息子の駿介さん=名護市東江の知名商店

 新鮮なビールはおみやげとしてもねだられる。「知名商店で買った」と証明をしたい客から領収書をお願いされたこともある。

 店内にはその場でお酒を楽しめるカウンターの他、「スポーツ帰りで一杯やりたいが、土の付いた服で店を汚したくない」という人のために知名さんが作ったテーブルセットが店先で人々を迎える。「嘉手納から15人ぐらいで乗り付けて定期的に家族会議をする人もいる」(知名さん)ほど、ファンになる人も。

 週2回ほど店を訪れるという稲嶺盛助さん(72)は生ビールを購入。「工場が近いから新鮮」とふたをして持ち帰った。(長浜良起)

<メモ>

 営業時間は月~土曜が午後1時~10時、日曜が午後3時~8時半。名護市東江1の5の27。1989年に先代の定正さんによって開店した。(電話)0980(52)2315。