プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区4位=23勝25敗)は2日、沖縄市体育館で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(同3位=23勝25敗)と第2戦(今季第49戦)を行い、終始リードを保ち83―69で勝利した。この日の結果により、チャンピオンシップ進出圏内の地区2位に浮上した。
第1クオーター(Q)のキングスはシュートが決まらず苦しんだが、堅守で名古屋Dの得点も抑えてロースコアの展開に持ち込んだ。リードして迎えた第2Qはミスから失点することもあったが、金城茂之やラモント・ハミルトンが要所で得点。39―29とリードして前半を終えた。
第3Qはファウルが重なって苦しんだ。一時は2点差まで詰められたものの、山内盛久がチームを引っ張ってリードを保つと、第4Qに岸本隆一が攻守で力を発揮して白星を引き寄せた。キングスは8、9の両日、滋賀県の守山市民体育館で滋賀レイクスターズとアウェー2連戦を行う。(観客3150人)
キングス 24勝25敗
83―69(15―8,24―21,21―26,23―14)
名古屋D 23勝26敗
【評】岸本が勝負どころの第4Qにチームを勢い付け、粘る名古屋Dを振り切った。試合序盤は両チームのシュートが決まらずロースコアとなった。キングスは守備で踏ん張ってリードを奪うと、内外で加点して勢いを維持した。リバウンドで劣勢となった第3Qに名古屋Dに詰め寄られたが、第4Qに岸本が3点弾などを沈めて点差を広げた。名古屋Dは試合終盤の大事な場面で3点弾が決まらなかった。(平安太一)
◆ファンの声援のおかげ
伊佐勉HC(キングス)の話 出ているメンバーが、準備してきたディフェンスを全開でやってくれた。ディフェンスから我慢したことでオフェンスも良くなった。ホームで連勝できたのはファンの声援があったおかげだ。ここから一戦一戦をしっかりと戦っていく。
◆残念な週末だった
レジー・ゲーリーHC(名古屋D)の話 残念な週末だった。早い段階でチャンスがあると思ったが、ものにできなかった。第1Qはルーズボールやオフェンスリバウンドを取られ、ターンオーバーも多かった。キングスの14番(岸本隆一)も良かった。
◆第4Q 岸本圧巻プレー
キングスのエース・岸本隆一が第4Qに圧巻のパフォーマンスを発揮した。
インサイドに切れ込んでドライブシュートを決め、直後にリバウンドを拾ってハミルトンの速攻を演出した。さらには2本連続で3点弾を沈め、第4Q開始時点で5点だったリードを15点にまで広げた。岸本は「チームで打つべきシュートが打てただけで、僕一人の力ではない」と強調。チーム一丸となって戦えたことに達成感をにじませる。
第1Qから攻撃が重く、なかなか点を伸ばせなかった。伊佐勉HCは「名古屋のディフェンスが昨日よりも厳しくなっていた」とみる。キングスも足を使った激しい守備で応戦し、第1Qはわずか8失点にとどめた。第2Qに入ると「冷静さを保ちながら戦えた」という岸本が速攻などで点を重ね、名古屋Dを引き離した。
10点リードで迎えた第3Qにファウルでリズムを崩し、一時は2点差まで詰め寄られた。それでも山内盛久が速攻から大宮宏正の得点につなげ、悪い空気を振り払った。山内は「テンポが落ちていたのでスピードを上げていこうと思った」と振り返った。
混戦の西地区で2位に抜け出し、チャンピオンシップ進出圏内に食い込んだ。岸本は「チームとしていい方向に進んでいる」と実感を込める。一方で「もっといいバスケができる」と断言。現在の順位を揺るがないものにするため、慢心せずに次戦に向かう。(平安太一)