小田、6戦目もKO ボクシング琉球拳闘伝


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右フックを放つ小田翔夢(左)=2日、ネーブルカデナアリーナ(石井恭子撮影)

 ボクシングの琉球拳闘伝(兼2017年度全日本新人王決定西部地区予選)は2日、ネーブルカデナアリーナで行い、全日本新人王で同ライト級15位の小田翔夢(ショーン)=南部農林高卒、琉球ジム=とティエンチャイ・ソーカニットソーン(タイ)による6回戦は、4回40秒で小田がKO勝ちを収めた。小田は6戦6勝6KO。

 全日本新人王ウエルター級準優勝の西原成紀=八重山商工高卒、大阪・仲里ジム=は原塚滉貴(長崎林田)と4回戦を行い、1回53秒でKO勝ち。西原は6戦3勝2敗1分けとした。女子フライ級で琉球大3年の池本夢実=静岡県出身、琉球ジム=はペットプラジーン・サイトーンジム(タイ)と4回戦を行い、判定勝ちして3戦3勝とした。

 全日本新人王決定西部地区予選は3試合を行い、フライ級の濱上京武(島袋ジム)が高田篤志(J中津)と引き分け、西部地区代表に決まった。西部と中日本の両地区の代表が9月に対戦し、11月に西軍代表決定戦を行う。

◆重い右でぶっ飛ばす/止まらない18歳

 4回40秒、ずしーんと重く鈍い音がとどろき、ソーカニットソーン(タイ)があおむけのままぶっ飛んだ。左ボディー狙いを警戒されて決定打が出ない戦況を「終わらせたい」と、小田翔夢(南部農林高卒、琉球ジム)が攻めを右に切り替えた直後だ。コーナーに追い詰めた相手の頭に右のパンチがさく裂。成長著しい18歳が、1年前にデビューしたリングで6戦6勝6KOと白星を伸ばした。

 相手はこれまで30戦し17勝(14KO)11敗2分けと一発の怖い経験豊富な選手だった。距離を取った序盤から2回開始直後、左ボディーで1度目のダウン。ソーカニットソーンは8秒で立ち上がったが「これは効いたはず」と同じ手で二発目を狙った。

 それが逆に警戒され3回は膠着(こうちゃく)。リングサイドに戻り、トレーナーに「出て終わらせたい」と自ら切り出し、ゴーサインをもらった直後の勝利だった。

 2016年5月、南部農林高3年時にプロデビュー、12月に全日本新人王座を獲得と駆け上がった1年は「忙しかった」。課題のガードも「まだまだ甘い」と勝っても自己を戒める。対戦するたびに相手も強くなる。「もっと成長していかないと。一試合一試合頑張るだけ」。練習と歴戦の先に、世界一を描いて進む。(石井恭子)