海兵隊移転不支持も グアム知事、インフラ遅れに不満 日米首脳に伝達へ


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 米領グアムのカルボ知事は6日、声明を出し、在沖米海兵隊移転に伴うインフラ整備に必要な労働力が不足している問題について、米連邦政府の対応に強い不満を示し、「連邦政府がグアム経済を圧迫し続けるなら、海兵隊移転計画を支持しない」と表明した。

 現地では外国人労働者への就労ビザ発給が認められない事態が続き、労働力不足が深刻化している。経済効果を期待していたカルボ知事は「移転でグアムが不利益を被ることはないと合意したのに、反している」と指摘。オバマ前政権の対応に不満を示し、「トランプ政権に期待はしているが、グアムは臨界点に来ている」と訴えた。

 5日に米政府監査院が公表した報告書も、海兵隊の移転計画の甘さを指摘している。報告書は在沖海兵隊4100人が移転する予定のグアムで、労働力不足問題の対応や絶滅危惧種の保護ができていないと指摘。米国防総省に整備費用を修正すべきと提案している。

 カルボ知事は「建設業者も工期に間に合わない工事には参加したくない。労働力不足に伴う費用の増大を支払うこともできない」と説明。トランプ米大統領と安倍晋三首相に、グアムの現状と知事の姿勢を伝える書簡を送るとしている。