沖縄と神戸 新たな絆 故・國吉さん、陶芸作品寄贈


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 【兵庫県で新垣毅】沖縄県と兵庫県神戸市の間でまた新たな絆が刻まれた。8日にメインイベントを迎えた「沖縄GOGO!ハイサイフェア in KOBE三宮」(KOBE三宮・ひと街創り協議会主催)で、那覇市出身陶芸家の故・國吉清尚さんの作品が三宮センター街のストリートミュージアムの展示品に加わった。通りの美術品は13点目となり、沖縄関係は2点目。除幕式後に開かれた講演会には150人余が参加し國吉さんの作品の素晴らしさを学んだ。沖縄物産フェアには大勢の買い物客が詰め掛け、通りは沖縄一色に包まれた。

國吉清尚氏についての講演を熱心に聴く聴衆ら=8日、兵庫県の神戸国際会館

 作品を寄贈した國吉さんの娘・真由美さんと、仲介した古美術観宝堂の吉戸直さんに主催者から感謝状と記念品が贈られた。沖縄のエイサーやフラダンス、那覇バスのガイドらによる沖縄の歌を、通りを訪れた大勢の観客が手拍子を打ちながら満喫した。

 丹尾(たんお)安典早稲田大教授が、神戸国際会館で「作陶の貴人・國吉清尚」と題して講演した。「國吉氏は10年前まで無名だった。NHKの番組で取り上げられたり、目利きの専門家が絶賛したりし、名が広がった。彼の作品は陶芸に興味がない人でも引き込む力がある」と話し、高く評価した。

 除幕式でKOBE三宮・ひと街創り協議会の久利計一会長は「展示することになり清尚さんも喜んでいるだろう。沖縄との交流が盛んになるのを願っている」とあいさつした。久元喜造神戸市長は「沖縄との交流はさらに広がり、深まるだろう」と強調した。城間幹子那覇市長は「國吉さんの作品が収蔵され、ウチナーンチュとして、那覇市民として大変うれしく思う」と感謝した。