キングス3位転落 Bリーグ第52戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区2位=25勝26敗)は15日、沖縄市民体育館でシーホース三河(同1位=41勝10敗)と今季第52戦を行い、82―96で敗れた。キングスに勝率で1ゲーム差だった3位の大阪エヴェッサが、この日名古屋ダイヤモンドドルフィンズに勝利したことでキングスと勝率で並んだ。キングスと大阪は今季、大阪の4勝0敗となっており、対戦成績で上回る大阪がチャンピオンシップへ自動的に進める地区2位に浮上した。キングスは前半は積極的な個人技で三河のペースを崩し、守備ではミスを誘って点につなげて45―46と競い合い折り返した。しかし、後半は三河の試合運びのうまさや能力の高さに翻弄(ほんろう)され、ミスやファウルから失点を繰り返してペースを乱され、じりじりと引き離された。三河との第2戦は16日午後6時から同体育館で行う。(観客数3350人)

三河 42勝10敗
 96―82(24―20,22―25,25―17,25―20)
キングス 25勝27敗

 【評】第1Qから追う展開のキングスだったが、積極的な個人技から攻撃が点に結び付いた。果敢な守備で相手のミスを誘発し、速攻につなげて前半を一進一退の1点差で折り返した。しかし、三河が緩急つけた試合運びで主導権を握ると、ミスやファウルから失点し、第3Q終了時点で9点差をつけられた。第4Qは三河の固い守備の前に縦に切り込む攻撃が展開できず、追い上げられなかった。(嘉陽拓也)

◇第3Q抑えれば
 伊佐勉HC(キングス)の話 プラン通りできた部分はあるが、後半得点され始めた時に攻撃のミスからファウルが続き、相手のフリースローを決められ、一気に流れを持っていかれた。第3Qで点差をもっと抑えられたら第4Qも違った展開だったかもしれない。

◇互いに成長
 鈴木貴美一HC(三河)の話 出だしからキングスの激しいアタックに慌てたが、後半、うちはテンポを変えてキングスのリズムをうまく利用した。まるでプレーオフのような気分で戦えた試合で、互いに成長できた内容だった。

◇試合巧者に好勝負 後半ミスの悪循環

キングス―三河 第1Q、チームに勢いを呼ぶダンクシュートを決める琉球のアンソニー・マクヘンリー=15日午後、沖縄市体育館(新里圭蔵撮影)

 キングスは積極果敢な攻撃からリズムをつくり、互角な展開で前半を折り返した。しかし後半は西地区でトップを独走するシーホース三河の実力と試合巧者ぶりにペースを乱され、ミスやファウルをくり返して勝機を逃した。他チームの勝敗により3位に降格したが、主将の岸本隆一は「一喜一憂していられない。明日の勝利へ照準を合わせる」と気持ちを高ぶらせた。

 第1Qは、キングスの縦に攻める個人技が三河のペースを乱した。リードされても岸本やレイショーン・テリーらが個人技で食らいつく。

 第2Qの出だしも連係速攻で大宮宏正が得点を挙げて流れを引き寄せると、相手の攻撃も乱れた。終了間際には喜多川修平が相手PGとの一対一の守備でボールを奪って加点するビッグプレー。好勝負が続くかに見えた。

 しかし、キングスに流れかけた展開を断ち切るように三河が守備を固めた。

 慎重になりすぎたキングスは、攻めあぐねてシュートを打たされたり、パスがつながらなかったりと反転攻勢を受ける。食らいつく守備もファウルにつながり、相手にフリースローを献上する悪循環へ。キングスの乱れを突くように三河の金丸晃輔や比江島慎らの得点力も加わり、翻弄(ほんろう)されたまま試合が終わった。

 アンソニー・マクヘンリーは「試合全体は悪くない。キングスがはじけた時間帯もあった」としつつも「ミスでやられてしまった。修正すべき課題はたくさんある」と、歯がゆさに満ちた表情で語った。(嘉陽拓也)