ポリテクセンター沖縄 3年連続 就職率90%超 企業ニーズ、訓練に反映


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 離職者のための職業訓練を実施する沖縄職業能力開発促進センター(ポリテクセンター沖縄、北谷町)の2016年の訓練生就職率が、前年度比1・5ポイント増の94・7%となり、全国平均を上回って3年連続で90%を超える高水準となっている。人手不足から働き手を求める企業のニーズを取り入れた能力開発の内容を組むことが、早期の再就職支援につながっている。

本年度から始めたポスターやビデオを紹介するポリテクセンター沖縄の池田誠明訓練課長(右)と仲里栄信さん(左)=12日、琉球新報社

 訓練生の定員に対する受講者数(充足率)は81・4%と目標値の85%を下回る。雇用情勢の改善に伴い若年求職者が減少している影響のほか、組織や訓練内容の周知不足といった課題もある。ポリテクセンターの紹介ビデオを初めて作成して4月から県内のハローワークで放送を始めたほか「急がば学べ」のキャッチコピーで若者向けポスターを掲示するなど広報を強めている。

 ポリテクセンター沖縄では、電気・通信施工や建築設備、運輸機械サービスなど「ものづくり」を中心に10コースの職業訓練を実施している。半年間の訓練を通じて習得する技術や取得可能資格は、就職先企業の意見を反映させている。4カ月半の施設内訓練の後に1カ月半の企業実習を実施する「企業実習付き職業訓練(短期デュアルコース)」の形式が、就職への橋渡しとなっている。

 池田誠明訓練課長は「好景気のため、職業訓練を経なくても就職しようと思えばできる環境だが、離職のタイミングで一生使える技術を身に付ける機関があることも知っておいてほしい」と語り、「人口の多い那覇市からの受講割合が低く、北谷にあることが中部より南で知られてない。必要な人に情報を届ける工夫をしていきたい」と述べた。