〈医療費窓口無料〉県の「現物給付」、これまで後手に


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 子どもの医療費を医療機関の窓口で立て替え払いせずに済む「現物給付」の制度は全国22の地方公共団体が導入しているほか、「現物給付」といったん窓口で立て替える「償還払い」との併用は16団体に上っている。県と同じく「自動償還」や「償還払い」制度のみは8団体で、県の「現物給付」への取り組みはこれまで後手に回っていた感もある。

 今回、見直しが検討される「こども医療費助成制度」は市町村の子ども医療費助成に対して、県が2分の1を補助する事業。事業主体が市町村となるため、金武町などは県の基準を一部適用した上で制度を拡大し、高校卒業まで入院と通院の自己負担分を無料にするなど、独自の施策を展開している。

 一方、「現物給付」に関しては、県内41市町村のうち、南風原町が唯一、独自の取り組みとして今年1月から開始している。同町の城間俊安町長は現物給付実施について「現物給付の導入で早期発見、早期治療ができれば長期的には医療費抑制、貧困問題の解決につながる」と意義を強調する。同町の取り組みや実績が今後始まる検討の中で、一つの指標となる見通しだ。