那覇軍港移設、南北2案を初公表 浦添、南で新案提出へ


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 【東京】防衛省は27日、那覇軍港の浦添移設計画に関する移設協議会を省内で開いた。協議会を構成する県、那覇市、浦添市、那覇港管理組合の4者が協議してきた、軍港を「北側」「南側」にそれぞれ配置した2案が示された。両案は初めて公開された。

 ただ、松本哲治浦添市長は琉球新報の取材に対して南側案を前提としつつも「新たな浦添市案を提出していくつもりだ」と述べ、軍港と民港が一体となる南側案の課題を改善する新たな市案を提案する意向を示した。夏頃にも策定する予定だ。

 防衛省は、浦添市が2案を評価した上で改めて協議し、配置案を選定する方針だが、浦添市は「新市案」を提示する予定で、案確定に向けては今後も混迷が予想される。

 2案は港湾機能、環境、安全の3項目で「A」「B」「C」の3段階で評価された。民港部分と軍港が分離した形で配置された北側案が総合的にも「民港に与える影響・支障は小さい」と評価された。南側案は軍港が民港のほぼ中央に配置されることから、港湾機能面で「経済的一体」が求められる民港が分断され、管理運営上の支障がある「C」と指摘された。

 代替施設の岸壁から50メートルは制限水域として提供されるため、民間船舶の航行が「少なからず影響を受ける」と指摘。また、陸上部分も民間車両と米軍車両の交錯、通行に制限がかかるなど「物流機能の支障となる」とされた。

 北側案は、民港と軍港が分離されるため「経済的一体」の民港として「支障がない」とされ、民間船舶の航行や陸上部分の交通面でも影響、支障はないとして「A」と評された。

 環境面は両案とも「B」。安全面も機能面と同様に北側案は「A」、南側案は「C」とされた。