アカジン、マクブ 漁獲制限の区域拡大 伊平屋・伊是名 恩納沿岸も


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 県産高級魚のアカジン(スジアラ)、マクブ(シロクラベラ)の漁業資源保護に向け、沖縄海区漁業調整委員会は4月から、現在本島北部の一部海域で実施している漁獲サイズ制限を伊平屋村・伊是名村沿岸海域と恩納村沿岸に拡大した。県によると両魚種の漁獲量は全県的に減少傾向にあるが、北部地域では漁獲制限開始以降、漁獲量が安定、または増加に転じている。県水産課は「漁獲制限は漁業振興にもつながる」と意義を挙げている。

 伊平屋村・伊是名村沿岸で漁獲が禁止されるのは体長が40センチ未満のアカジンと35センチ未満のマクブ。大きくなった魚を捕ることで産卵できる成魚の数を増やし、資源量や漁獲量全体の増加につなげる。

 北部地域では漁業者が自主的な取り組みとしてアカジン、マクブの漁獲サイズ制限を2003年から始めている。制限を開始して以降、アカジンは漁獲量が安定して推移し、マクブは増加している。本島沿岸の4海域では15年4月から海区漁業調整委員会指示による制限(公的管理)を実施しており、対象海域を広げた。島尻勝広農林水産部長は「効果を検証しながら、県内各地域へ普及させていきたい」と語った。