プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区3位=26勝29敗)は29日、沖縄市体育館で京都ハンナリーズ(同4位=24勝31敗)と第56戦を行い、69―80で敗れた。キングスは第1クオーター(Q)は21―15とリードしたものの、第2Qはミスからリズムを崩し始めて39―36で折り返す。第3Qはお互い意地がぶつかり合うも京都に逆転を許す。第4Qはパスミスからのターンオーバーで失点を繰り返すと、京都の勢いに押され続け、そのまま敗北した。チャンピオンシップ(CS)圏内にいる大阪(同地区2位=27勝28敗)は同日、シーホース三河(同地区1位=44勝11敗)と対戦し70―68で勝利した。大阪と2位争いに持ち込みたいキングスだがゲーム差を2に広げられ、苦しい状況に立たされている。京都との第2戦は30日午後6時から同館で行われる。(観客数3376人)
▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、3376人)
京都 25勝31敗
80―69(15―21,21―18,20―15,24―15)
キングス 26勝30敗
【評】第1Qは互いにリズムを作る展開の中、キングスは岸本隆一を中心に素早い展開を作り上げて6点差の貯金を作ったが、第2Qではミスから失速し始めて京都に猛追され、逆転された。京都は津山尚大や喜多川修平を徹底的にマークし、シュートを打たせない一方、攻守でリバウンドを奪って点につなげる球際の強さを発揮した。
◇我慢し切れず崩れた
伊佐勉HC(キングス)の話 我慢比べの試合展開の中で、我慢し切れず崩れてしまった。インサイドをやられるのは想定していたが、そこからセカンドやサードのボールでやられているので、明日はリバウンドを取ってアップテンポなゲームに持っていきたい。
◇アクティブに守備
浜口炎HC(京都)の話 後半はアクティブに守備ができたことで、アウェーながら流れを引き寄せることができた。3点弾のある津山尚大を守備の中に追い込んで守れたのが良かった。
◇攻撃封じられ失速
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チャンピオンシップ(CS)出場を懸けて負けられない京都戦だったが、キングスは攻撃の勢いを封じられる一方、攻守でリバウンドを奪われ、得点につなげられて失速した。第4Qの最終盤になっても流れは変わらず、厳しい点差に観客も終了前に帰りだす寂しい終わり方となった。
京都の作戦勝ちだった。キングスは第1Qで素早い展開をつくり上げ、スクリーンを絡めた攻撃でボールと足を動かし6点差をつけたものの、第2Qは京都が守備で的を絞った。3点弾でチームをけん引する津山尚大や喜多川修平にしつこく重圧をかけてシュートを打たせない。津山にはドライブさせて「守備の中で抑え込む」(京都の浜口炎HC)作戦で勢いを止めた。
その中でも岸本が素早いドライブでこの試合22点と活躍したが、苦しい展開は変えられない。チーム全体で攻め切れず単発シュートになると守備まで悪い流れが響き、京都のマーカス・ダブのインサイドやリバウンドに苦しめられ続けた。
データで見ると岸本以外の得点は1桁に抑えられ、リバウンドもキングスの8に対し京都は11。ゴール下のペイントエリアの得点も8対12と競り負けた。
主将の岸本は「自分は素早い展開で得点できたが、周りを引っ張るプレーに連動させられなかった。望みをつなぐためにも明日に向けてできる準備をしたい」と話し、気持ちを奮い立たせた。(嘉陽拓也)