こどもの国 坂緩やか、園内快適に 年50万人視野に整備へ


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坂の勾配を緩める工事の完成イメージ図(沖縄市建築・公園課提供)

 【沖縄】沖縄市の動物園「沖縄こどもの国」で、来園者の安全面を向上させるため、坂道の傾斜を緩める整備工事が進んでいる。1年のうち客足がピークを迎える夏場までに全工程を終える計画だ。同園の年間入園者数は近年増加傾向にあり、来園者の快適性を高めることで、初の50万人の大台が目前に迫る。

 園内は起伏の激しい地形のため、保育園の遠足で訪れる子どもたちやベビーカーを押す家族連れ、高齢者にとって横転などの不安があった。坂道をS字型に改良して傾斜を緩めるほか、一部の急な坂道を封鎖して別の通路を造る。

来園者の安全面に配慮し、坂道の傾斜を緩めるための工事が実施されている沖縄こどもの国の園内=4月30日

 工事は昨年の夏休み明けに着工し、現在も狭い道幅となっている。来園者からは苦情もあるが、改良を喜ぶ声も多いという。4月17日に夫と3歳の娘と訪れた上原信子さん(42)=うるま市=は「これまでは坂が急で、子どもを抱っこして歩いていた。坂が緩くなれば(安全面で)助かる」と笑顔で話した。

 2016年度の入園者数は、02年のリニューアル後で最多を記録した前年度より1565人減の45万6537人となったが、工事中で通路の快適性が悪かったにもかかわらず、45万人台を保った。保育園や小学校低学年の遠足需要が増えているほか、中国など外国人の個人客に対する知名度も高まっているという。

 入園者数の過去最高は、遊園地がオープンした1990年の49万6874人。「まずは50万人を突破したい」という高田勝園長は、来園者を増やす取り組みについて「職員の質を高めることが必要だ。展示方法や動物の生態の説明などを通し、リピーターが増えるような意識を持っていきたい」と力強く語った。